reportレポート
取材
企業の農業参入を促すソーラーシェアリングの安定性
日本の農業が元気を取り戻すためには、新たな力が必要だ。ソーラーシェアリングで経営安定化を図り、持続可能な農業を目指す「つなぐファーム」に、新規参入の経緯を聞いた。
ソーラーシェアリングを力に〝続けられる農業〟を目指す
日本の農業が抱える課題の背景には、若手担い手の不足と利益確保の難しさがある。
ソーラーシェアリングの事業化に携わってきた千葉エコ・エネルギーは、2018年3月に「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」の完成をきっかけに、農業法人「つなぐファーム」を設立した。
「農業では売上が立つまでに一定のスパンが必要なので、その間どうしても経営が不安定になってしまいます。でも、太陽光発電で安定的な収入があれば、中長期的な視野で計画が立てられ、また、人材の育成にも取組んでいけます。ソーラーシェアリングがあるから、自信を持って農業に参入できたんです」と話してくれたのは、つなぐファーム代表の富岡弘典さん。
最初の栽培品目にはニンニクを選んだ。理由は、「ソーラーシェアリングに適していることや、高収益化の見込み、管理のしやすさも考慮しました。ただ、国内市場の半分以上が輸入に頼っている現状を変えたいという想いが第一にありました」とのこと。現在、生産と同時に6次産業化の商品づくりを試験的に進めており、来年は本腰を入れる予定だ。
十分な収益を確保して経営を安定化させ、持続可能な農業へ——。ソーラーシェアリングが日本を力づける役割を担い始めている。
千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機
場所 | 千葉県千葉市緑区大木戸町 |
設備容量 | 625kW |
土地面積 | 約10,000㎡(耕作面積) |
導入年月日 | 2018年3月 |
導入費用 | 約1億5000万円 |
パネルの下で育てている作目 | ニンニク、サツマイモ、里芋、落花生、 イチゴ、他(試験栽培含む) |
出典:EARTH JOURNAL(アースジャーナル)vol.06 2018年
販売サイト(https://earthjournal.jp/information/33791/)