reportレポート
コラム
世界で広がるソーラーシェアリング
from NETHERLANDS
ニワトリと環境にやさしい、ソーラーエネルギーを活用した鶏舎
オランダ南部のフェンラユを拠点とする「キップスター」は“世界で最も動物と環境にやさしい養鶏場”だ。自然を模した鶏舎では、屋根の一部をガラスにすることで、自然光を屋内にたっぷりと届け、ニワトリが快適に過ごせるよう、遊び場なども設けられている。敷地内には1078枚のソーラーパネルを設置。太陽光発電によって得たエネルギーは、鶏舎で利用されるほか、余剰分は売却され、収益の一部となっている。
https://www.kipster.nl/
from AUSTRALIA
砂漠で一年中トマトを栽培できる
太陽光と海水による屋内農場
オーストラリア南部の砂漠で、2016年、太陽光と海水のみを活用する屋内農場が竣工。この屋内農場では、近隣の湾から引き入れた海水を淡水化して農業用水に利用し、水耕栽培法によってトマトやパプリカなどを一年中、栽培している。20ヘクタールの敷地には2万3000枚の鏡を設置。太陽光を効率的に集め、農作物の栽培や海水の淡水化に要するエネルギーを発電する仕組みだ。化石燃料に依存せず、気候や季節を選ばずに農作物を栽培できる屋内農場ソリューションとして、世界各地の砂漠地帯で大いにニーズが見込まれている。
https://www.sundropfarms.com/
from KOREA
韓国でも協会が発足
日本に視察団を派遣
韓国でも、ソーラーシェアリングを広めようとする動きが活発化している。2015年頃から導入が検討されはじめ、2016年にテストプラントを開始。政府計画では、2030年までに10GWのシェアリングを導入する計画だという。それにあたり、先日発足した「韓国営農型太陽光協会(以下、同協会)」が、日本に視察団を派遣。日本のソーラーシェアリング推進連盟が仲介役となり、千葉県の「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」の日韓合同視察が実現した。同協会は、韓国におけるシェアリングの設計ガイドラインや、認証システムの作成などを目指すという。
text: Yukiko Matsuoka
出典:EARTH JOURNAL(アースジャーナル)vol.06 2018年
販売サイト(https://earthjournal.jp/information/33791/)